ボキボキ整体って危険?安全?

※このページはより詳しく整体や医療知識が知りたい人向けに書かれています。

 

はじめに

みなさんはボキボキ整体と聞くとどんな印象でしょうか?怖い、危険と思う人ももちろんいると思いますし、逆に気持ちいい印象を抱く人もいるかと思います。今回ここで私が述べたいのはボキボキ整体のボキボキは何を表している言葉なのか?そもそも安全なのか?危険なのか?それに加えて整体業界の闇についてお話ししていきます。なお、脊柱に対してのボキボキ整体について書いています。

 

ボキボキ整体って?

Googleなどで「加古川 整体」と検索すると「加古川 整体 ボキボキしてほしい」などもくっついて検索に出てくるくらいですので、ボキボキ整体はよく調べられているワードなんだと思います。整体=骨をボキボキ鳴らすところのイメージが定着している方もいるかもしれませんが、同時に「ボキボキしない」を売りにしている整体院もたくさんあります。ちなみにまえだ治療院もボキボキしない整体院です。

 

そもそもこのボキボキはなにをしているのか?

このボキボキは固まってしまった関節を動くようにするためや骨の位置異常が起きている時にボキっと骨が鳴る手技を用いています。

これを関節矯正と言ったりアジャストメントやHVLA、スラストなどの言葉で表現されます。

(以下:ボキっとなる関節手技をスラストと言います。)

スラストは動かなくなった関節に対してその関節が動かなくなっている位置まで誘導してから高速かつ最小の距離だけ動く力を加えるものになります。

すごくかみ砕いて言うと首であれば、首がこれ以上動かせないところまで先に動かしておいてから、ちょっと首の関節を動かします。

それにより関節が動くと同時に関節腔内にあった気泡が弾けることでポキっと音がなります。これを※1キャビテーションといい、一度鳴ると再度気泡が充満していくまで20分は鳴りません。首を鳴らすクセがある人は心当たりがあると思いますが、一度鳴らすとすぐ二回目は鳴らないはずです。

またこのキャビテーションは正直重要ではなくスラストの効果音でしかありません。ただ全くの無意味でもありません。キャビテーションが起こることで関節腔内に栄養が回り15分間は体が楽になります。またスラストは正しい技術で用いれば本来安全な関節手技です。

 

ここまでをまとめると

○ボキボキは関節が動くようにするために用いるスラストと呼ばれる安全な関節手技

○ボキっという音はスラストにおける効果音でしかない

○ボキっとなると15分間は体が楽に感じる

このことをよく覚えておいてください。後でお話しします。

 

上記で述べたようにスラストは安全で関節の動きがよくなる。体が楽になるのになぜボキボキする整体院とボキボキしない整体院が存在するのか?

する・しないにはいくつかの理由があります。

 

ボキボキ整体をしない側の理由では

1)関節は確かにかたいがスラストを行うほどでもない

かたくなってしまった関節に対しての治療の手段はスラストだけではありません。関節に対する手技はたくさんあります。スラストはその中の1つに過ぎません。

スラストが高速で最小の距離、関節を動かすのに対して、低速ないし中速で中程度の距離、関節を動かすものにモビライゼーション(モビリゼーションとも)があります。他にはリコイルテクニックなどもあります。スラストが関節の治療に選択される時は、このモビライゼーションやリコイルテクニックなどでは関節が動かなかった時になります。

 

2)スラストを用いるには患者さんの安心・リラックスが必須

スラストに対して患者さんに怖さがあれば、体はこわばります。そうなるとスラストが成功しなくなります。術者にとっても事故に繋がる可能性があるため、お互いに余計な恐怖心を植え付けてしまうぐらいであればはじめからスラストを用いないという治療の選択になります。

ボキボキ整体をする側の理由では

 

スラストは本来安全な手技です。スラストを用いるメリットは治療が短時間で済み、結果的に患者さんの負担が少なくて済むことと限られた範囲で治療を行う訳ですから、その浮いた時間を他の治療に回すことができます。

しかし、ではなぜボキボキ整体で事故が起こるのか?ここが整体業界の最大の闇の部分になります。

整体師はなろうと思えば特に何の資格がなくてもだれでもなれてしまいます。今これを読んでいるあなたも、明日から整体院を開業してもなんの罪にもなりません。

とは言え整体師の専門学校もありますので、そこでしっかりと学び、技術を磨いてから整体院をされている人もたくさんいます。

通常そうあるべきなのですが、前者の特に何の資格があるわけでもない。講習会に少し参加しただけで整体院を開院している人たちがスラストを用いて事故を起こしています。

もう一度言いますが、正しい技術で用いられたスラストは安全です。なにより治療です。

ですが、スラストもどき、ただ骨を鳴らしにいっているだけの人たちが存在していることも事実です。

上記でも述べたようにキャビテーションが起こると15分間は体が楽になる感覚を覚えます。この楽になる感覚を治療だと称して骨を無理矢理鳴らしているだけの整体師が日本全国に存在しているのです。

なぜこんなことになってしまっているのかと言うと、整体師が誰でもなれてしまうということよりも、講習会を開いている講師に問題があると言われています。

講習会を開いている講師も実はよくスラストを知らない。正しく習ったことがない。でもお金儲けのためにスラストの講習会を開催して生徒を募集する。

その習っている内容が実はとても危険であるとは疑いもせずに、生徒は今後のスキルアップのために一生懸命ですから、覚えたことならすぐに臨床で使いたいですよね。

間違ったスラストの実情が知りたい方はYouTubeで「ボキボキ整体」と調べてみてください。ボキボキ音のASMRなど医療がエンタメになっています。

また実際にボキボキ整体をYouTubeで見られた方は「大丈夫なん?」と思うと思いますが、大丈夫じゃないと思います。付け加えるとボキボキ整体に出演されている方がまだ若年の方ばかりなので、「今は大丈夫」かもしれませんが、力任せに骨を鳴らしにいくと骨に付着している靱帯が伸びてしまいます。かたくなった靱帯を適正まで緩めることはできますが、伸びてしまった靱帯は伸びてしまったビニールのように二度と元に戻ることはありません。今後年齢を重ねた時に必ず影響が出てくるかと思います。

 

安全なスラストを参考に載せておきます。↓

本当のスラストは、しっかりと体勢を整え、最小の力だけを用いて行われ、勢いをつけないものになります。

またキャビテーションも「ポキ」と一回の単音だけしか鳴りません。これは固まってしまっている関節1つに対してスラストを行うからです。

もし勢いよく行い一度で「ボキボキボキ」と複数の音が鳴る場合、これは骨を鳴らしにいっているだけです。スラストではありません。

 

※1:骨が鳴る要因はよく解明されていない部分があります。最も支持されている仮説が関節腔内の気泡が弾けて音が鳴っているというものです。

 

まえだ治療院は“脊柱に対しては一部を除きスラストを用いていません。”

先に結論からいいますとまえだ治療院でもスラストは使います。

まえだ治療院がスラストを用いる時は肘、股関節の位置異常や下腿外旋位、足部の背屈制限など主に四肢に対してです。またスラストを用いる場合はドロップボードを使用して安全に矯正を行っています。

 

なぜ脊柱に対してはスラストを行わないのか?

行わない理由は大きく3つあります。

 

1)脊柱は外乱刺激に反応して元に戻る

脊柱は椎間関節の機能障害や椎骨の位置異常などがよく見られる場所ですが、同時に外乱刺激に対して反応し、すぐに元に戻っていく場所でもあります。言い換えれば固まっている患部に対してちょっとだけ動かしてあげるだけでも元の状態に戻ろうと脳から指令がいきます。例えば右に椎骨がずれているとなった時、左に椎骨を誘導すればいいのですが、逆の右にずれているものをさらに右にずらすとどうなると思いますか?普通の感覚では状態が余計に悪くなるように思えますが、この方法でも椎骨は元の位置に戻ります。

要は「ここ動いてないですよ」と脳に教えてあげれば、勝手に修正してくれます。

 

2)適切に関節を動かせば結果は同じ

例えばですが100の力を加えないと動かない固まった関節があったとき、この関節は1回で100の力を加えても動きますし、1の力を100回加えても動きます。1回で関節の動きを改善させるスラストでも、力を複数に分けて行うモビライゼーションでも結果は同じです。

 

3)骨の本来の正確な位置はその人の脳しか知らない。

ズレていることはもちろんわかりますが、じゃあどこにもっていけば本来の骨の位置だと思いますか?基準は確かにあります。上下の棘突起の位置や横突起の位置など、しかし一人ひとり顔が違うように脊柱の並びというのは個人差があります。ましてや今出会ったばかりの患者さんの正確な骨の位置など術者が分かるはずがないはずです。どこに骨を持っていけばいいのかわからないままスラストを行う行為はまえだ治療院としてはどうしても同意できないと考えています。上記にも書いたように外乱刺激に対して勝手に脳が骨の位置を修正してくれるのであれば、そちらの方がもっとも確実で安全だと考えています。

 

このことからも治療選択の上で、ボキボキするのか?しないのか?となった時、まえだ治療院ではご利用者さまの安心と安全を最優先しますので脊柱に対してはスラストは用いません。別の方法で関節にアプローチしています。

 

また脊柱の可動域制限は椎間関節だけではなく、自律神経が乱れていてもかたくなります。この場合、椎間関節や椎骨の位置異常を取り除いたとしても可動域制限は残り、自律神経に対してアプローチしない限り動きが良くなることはありません。

 

まえだ治療院 院長 前田諭志

 

参考文献

●カパンジー機能解剖学Ⅲ 脊椎体幹頭部 原著第7版:医歯薬出版株式会社

●オステオパシーアトラス[増補改訂版]マニュアルセラピーの理論と実践:医道の日本社

●カイロプラクティックテクニック教本-理論と実践-:GAIABOOKS

●脊椎マニピュレーション機能障害に対する軟部組織からのアプローチ:医道の日本社

●正しく理想的な姿勢を取り戻す 姿勢の教科書:ナツメ社

 

参考動画

●London College of Osteopathy「HVLA- LUMBAR SPINE」

●Marco Delladio「HVLA Thrust C4-C5」

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まえだ治療院の特徴

加古川で幅広い体の痛みや不調を改善しております

国家資格者が行う整体で安心

まえだ治療院では、どのような症状でも、仮に”肩こりだけ””腰痛だけ”のような一か所の不調に対しても全身整体(トータルボディアジャストメント)を採用しております。理由といたしましては、不調がある箇所とその不調の原因となっている箇所が必ずしも一致していないからです。全身のバランスが整ってはじめて、肩こりが解消される。腰痛がなくなるということは珍しいことではありません。そのことからまえだ治療院では、全身の骨・筋肉・筋膜・ファシア・神経・血管・リンパに対しての施術はもちろんですが、骨盤調整、頭蓋調整、内臓調整を行っています。全身整体でご予約いただけますと文字通り全身の整体を行います。

逆に「一か所だけ集中的にしてほしい」と言うご要望がありましたら、施術前におっしゃってください。

※スピリチュアル要素を含む整体の類は一切行っておりません。もしそのような整体をご希望の方はまえだ治療院の専門外になります。ご利用はご遠慮ください。

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