こんにちは、まえだ治療院です。
今回は「アメリカで販売されていた危険な薬③」です。
前回のアメリカで販売されていた危険な薬②の続きです。
【キンボール・ホワイト・パイン・アンド・タールの
咳止めシロップ(クロロホルム)】
これにはごく少量のクロロホルムが含まれており、
風邪や気管支炎の治療薬として販売されていた。
1847年始めには、クロロホルムは喘息を緩和する薬、普通の麻酔薬として使われていた。
エーテルの良質な代替品として絶賛されていたが、
心臓や呼吸器官に致命的な影響を引き起こすことがわかった。
吸い込んだ後で多くの患者が死亡したため、
医者たちはエーテルの使用を復活した。
それでもまだ、クロロホルムはうがい薬や軟膏に使われていた。
ついに1976年、動物実験で発ガン性があることがわかり、FDA(食品医療品局)が人体に使うのを禁止した。
【ミセス・ウィンズローの精神安定シロップ
(モルヒネ)】
1849年、ミセス・シャーロット・N・ウィンズローは、メイン州であるシロップを販売し始めた。
これは炭酸ナトリウムとアンモニア水のような比較的害のない成分を含むシロップだったが、
1液量オンスにつき65mgのモルヒネが入っていた。
乳歯が生える時期の子供がおとなしくなるというふれこみで宣伝され、ある母親はニューヨークタイムズに、
その効果はまるで魔法の薬のようだと投書した。
息子に与えると、痛がることもむずかることもなく、
すぐに寝入ってしまったというのだ。
しかし、モルヒネの過剰摂取で、
子供たちが永遠の眠りにつく危険性があった。
1911年、米国医師会はこのシロップを乳児キラーとして告発したが、
イギリスでは1930年まで市場に出回っていた。
【エルゴアピオール(麦角とアピオール)】
麦などに寄生してできた菌核である麦角と、
セロリやパセリなどに含まれる有機化合物であるアピオールでつくられた薬。
1900年代始めに生理不順の治療薬として販売されていた。
中世の時代から分娩後の出血を抑制したり、
時に中絶にも使われていた。
かなりの毒性があり、血行不良を引き起こして壊疽を
生じさせることもある。
麦角は幻覚を起こすこともあり、
アピオールは大量に摂取すると、
肝臓や腎臓にダメージを与えることがある。
アメリカで
販売されていた危険な薬はこれで以上になります。
モルヒネ、ヘロイン、メタンフェタミン、コカインなど麻薬指定されているものから
今では劇薬指定されているものなど、
薬局にいけば並んでいたというのは
本当に恐ろしい話ですね。
まえだ治療院 院長 前田諭志