こんにちは、まえだ治療院です。
今回は「ドッペルゲンガーを経験した有名人②」です。
の続きになります。
「エイブラハム・リンカーン」
リンカーン本人は自ら数々の超常現象に遭遇していると言っています。
初めての選挙控えたある夜のこと、ソファで休んでいたリンカーンは、たまたま鏡をのぞきこんだ時、
そこには自分そっくりの顔がもうひとつ映っている。
もうひとりのリンカーンは青白く幽霊のようで、
鏡の中からリンカーンをじっと見ていたという。
リンカーンが驚いてソファから起き上がると、
その分身は消えたが、座るとまた現れた。
第二のリンカーンは二期目も再選されることを意味しているようでもあったが、
まるで死者のような風貌は、生き延びることができないという意味のような気がして、
妻のメアリは悪い兆候だと恐れた。
ドッペルゲンガーがなにかのメッセージを示しにきているようで、
リンカーンはその後もときどきソファに横たわっては「もう一度現われないか」と試みたそうですが、
二度と分身が現れることはなかった。
リンカーンが二期目は全うできないと、
メッセージを伝えたかったのかもしれない。
「ジョージ・トライオン」
1893年6月22日は、海軍中将ジョージ・トライオンに
とってはいい日ではなかった。
シリア沖で艦隊の指揮をとっていたが、
ミスから一隻の船がトライオンの乗った船に衝突し、357名の仲間と共に海に沈んでしまった。
まったく同じ頃、
トライオンの妻は、ロンドンで友人たちと
豪勢なパーティをひらいていた。
そこに突然、軍服に身を包んだトライオンが現れ、
客たちは驚いた。
トライオンは黙ったまま階段を降り、
客間を通って正面玄関のドアを開けて出て行こうとして、ふっと突然その姿を消したという。
トライオン夫人は客の相手をしていて、
このドッペルゲンガーを見なかったというが、
ほかの客の話では彼女も目撃者だったという。
家族にその死を伝えにくるという船乗りの生霊の話と
よく似ている。
「ギ・ド・モーパッサン」
フランスの作家モーパッサンは、ドッペルゲンガーの
経験者としての記録が残っている。
晩年、自分の分身とよく交流していたという。
この不気味な彼の分身は、会話するだけでなく、
ある短編の内容をモーパッサンに書き取らせている。
この短編集『オルラ』は、邪悪な霊に宿主として利用
され、ゆっくりとむしばまれていく男の話で、
文字どおり彼自身のゴーストが書いた話だと
本人が言っている。
この短編を完成させてから、まるでこの話をなぞるように、モーパッサンの精神的に病んでいくことになる。
モーパッサンのドッペルゲンガーの話には
もうひとつのバージョンがあります。
ドッペルゲンガーに対してモーパッサンがおびえ召使いを呼んだので、
ドッペルゲンガーは話を書き取らせたりせずに
そのまま姿を消したというもの。
しかし、数ヵ月後にこの分身はまた戻ってきて、
悲しい顔でモーパッサンをじっと見つめ、
絶望するように手で顔を覆って座り込んだという。
ドッペルゲンガーが不吉な知らせを持ってきたと
悟ったモーパッサンは恐怖に慄き、
その後の人生は転落の一途をたどった。
一年後、彼は精神科病院で亡くなった。
つづく
まえだ治療院 院長 前田諭志