こんにちは、まえだ治療院です。
今回は
「子供にガスライティングを仕掛ける親」
です。
「ガスライティング」は心理学的用語で、わざと間違った情報を伝え続けることで、相手の現実感覚を狂わせ、記憶や正気などを疑うように仕向ける精神的虐待にことになります。
自分を優位に立たせ、人を陥れる時に用いられるこの手法は、親子関係で見られることもあります。
親、あるいは子、あるいは両方が、相手を騙して正常な認知を損なわせようとするのです。
今回は「ガスライティング・ペアレント」と呼ばれる
親が子にガスライティングを仕掛けるケースご紹介していきます。
「子供を馬鹿にする」
ガスライティングで最初に行われることは、決まって自尊心の破壊です。
相手を操作するには、その人の自信というのは邪魔でしかありません。
それは親によるガスライティングでも同じです。
心理学の「愛着理論」では、幼児は自分の面倒を見てくれる親などに対して愛着を抱くようになります。
子供が世界を安心して冒険できるのは、この心の拠り所があるからです。
また心が安定した自立心のある子供は、やがて親が言うことに対して疑問を抱くようになります。
だから子供へのガスライティングは、そうなる前の早い段階から始められる。
そうした親にとっては、子供の自信など不必要なもので、子供に「自分は無能なんだ」と思うように仕向けます。
「親に対しての過剰な反応をとがめる」
子供が親に対して大袈裟な反応や過敏な反応をすればとがめるのも、ガスライティングの手口です。
「親は間違っているのでは?」と、子供が親に対して疑問を抱いているようなことを口にすれば「そんなことはない、間違っているのはお前の方だ!」といった具合に
そのようなことが続くと、子供は次第に疑問を抱く自分を疑うようになります。
ガスライティング・ペアレントが子供に許していることは自分たちの都合の良いことだけ子供が自分なりに感じること、考える権利などは認めません。
「大袈裟に誇張する」
子供の気分や感情は無視する一方、ガスライティング・ペアレントは、きわめて些細なことであっても、やたらと誇張し、さも大問題であるかのように大袈裟に語る。
頼まれた品の買い忘れや夜に電気を消し忘れたといったことでも、取り返しのつかない大失敗をしでかしたかのような態度を示し、それを子供のせいにする。
親からこのような反応ばかりされた子供はやがて行動が変わってくる。
親のヒステリーはどうにかして避けたいが、しかしどんな些細なことであっても過剰に反応されてしまう。
子供は混乱し、自分の殻に籠るようになる。
すると親に嘘をつき、本音を話さなくなる。
どうにかして親の機嫌を取ろうと無理するようなこともある。
「日常的に過去のことについて嘘をつく」
昔のことについて嘘をつくのは、子供に現実を疑わせるための手口の1つ。信頼している親に否定されては、自分の記憶が疑わしく思えてくるのも当然です。
どんな出来事でも「そんなことはない」と否定されてしまうと、子供は自分の正気を疑い始めることになります。
例えば親に頼みごとをした時、親はわざと間違えて「お前がそう頼んだんだろう?」と子供に言い張り続けたらどうなるでしょうか?
「子供の目標を決め、子供に自分の人生を投影する」
子供の幸せよりも業績ばかりを気にする親は、ガスライティングをしている恐れがあります。
こうした傾向は、自己愛が強い親にも見られる兆候です。
彼らにとって子供はもう一人の自分のようなもので、だから子供自身の幸せなど気にしない。
「子供にとって一番いいことは自分が一番よく知っている」と主張して、親が望むことを目指すように押し付ける。
子供自身の気持ちや目標を無視することはもちろんですが、ガスライティング・ペアレントにとって重要なのは、いかに子供を支配できるかどうかということです。
「友達に干渉する」
子供の交友関係を把握するのは悪いことではありません、ただそうした輪の中に首を突っ込んで操ろうするのであればそれはガスライティングの兆候です。
典型的なのは、子供の友達に我が子についての悪口を言ったり、彼らの前で我が子を馬鹿にしたりといったことだ。
また友達と仲良くなって、我が子に孤立感を感じさせることもある。
自分の子供には何も知らせないまま、その友達を家に招待したり、反対に家に遊びにくるのを禁じたりすることもあります。
「自分の間違いを絶対に認めない」
ガスライティング・ペアレントが謝ることは絶対にない。自らの過ちを認めることもない。
そんなことをしてしまっては、これまで子供を支配しようとしてきた試みが台無しになってしまうからです。
いくら過ちを認めるよう迫っても無駄です。
結局いつも自分が悪いことにされてしまう子供は疲れ果ててしまう。
万が一、自分の間違いが暴かれそうになると、激怒して、問題をすり変えようとするだろうし、「懸命に子育てをしてきた親に対してなんて恩知らずな」などとなじり、そのうち自分を哀れみ始める。
そして、いつも最後に謝るのは子供の方だ。
自分の親はガスライティング・ペアレントか?
生まれてからずっと心を支配されてきたガスライティング・ペアレントの子供が、自分の親の真実を知るのは難しい場合もある。
手助けになるのは周りの人の意見です。
そして最後は「自分の親はなにかおかしい」と感じたのであれば、自分の直感を信じることです。
補足でいうと「育ててやった」ということをやたらと強調する親「誰のおかげでここまで大きくなれたんだ」や
「誰の金で大学にいけたと思っているんだ」という親は
ガスライティング・ペアレントの可能性があります。
子供を育てることは子の親であれば当たり前です。
その当たり前すらもさも特別な行為のように恩着せがましく言う親は、まっとうな親とは言いがたいです。
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まえだ治療院 院長 前田諭志