こんにちは、まえだ治療院です。
今回は
「物語の登場人物の名前がついた症状と症候群~後編」です。
前編はこちらから↓
「ラプンツェル症候群」
髪の長さで有名なラプンツェルであるが、ラプンツェル症候群の患者はそれを食べてしまう。
非常に珍しい症状で抜毛癖(自分の毛を引き浮かずにいれない強迫的な衝動)と食毛症(自分の髪の毛を食べたくなる衝動)が合わさった結果生じる。
食べた毛は胃の中に毛髪胃石として溜まり、消化器のトラブルを起こす。
「眠れる森の美女症候群」
クライネ・レヴィン症候群とも言われる。
数週間も眠り続けるのが主な症状。
発症すると日常的な活動はほとんど行われず、患者は寝て、食べて、トイレに行くだけになる。
起きているときもボーッとして、行動に混乱が見られる。性欲亢進を伴うこともある。治療は難しいが、8~12年もすると頻度が減る傾向がある。
「ピーターパン症候群」
これは成長を拒む人の症状のこと緑の帽子をかぶって空を飛ぼうとはしないかもしれないが、彼らは大人になることを拒む。
実現不可能な目標を定めたり、アルコールや薬に溺れたり、だらだらと職探しを続けたりといったこともある。
ピーターパン症候群は正式な心理学的症状とは認められていないため、それほど広く研究されていないが、女性よりは男性に多い。また過保護な親も一因であるとされている。
「不思議の国のアリス症候群」
薬を飲んだアリスが大きくなったり小さくなったりするエピソードに因んで、1955年にイギリスの精神科医
トッドにより名付けられた。
この患者は認識に重大な問題を抱えている。
彼らにとっては日々が不思議の国のアリスで描かれた「食べて」と「飲んで」の場面のようなものだ。
つまり物が異常なほど小さかったり、反対に大きかったり感じてしまう。子供時代に発症し、治療方法はない。だが成長し、十代後半になる頃には治る傾向にある。
「ミュンヒハウゼン症候群」
現在、虚偽性障害と呼ばれる症状の古い別名。
この患者は他人を騙して自分が病気であると信じ込ませる。
その目的は同情してもらうことであり、話に信憑性を持たせるために自傷行為すら行うことがある。
名前の由来は、”ほら吹き男爵”と呼ばたミュンヒハウゼン男爵という架空のドイツ貴族。作者のルドルフ・エーリヒ・ラスペは、実在した貴族をモデルにこの人物を創作した。
「オフィーリア症候群」
オフィーリアとは『ハムレット』に登場するの悲劇の
人物である。
イアン・カー博士は自分の十代の娘の症状にその名を付けた。彼はまず娘との会話において利発な的確さが消えたことに気がつく。やがて彼女は記憶喪失、幻覚、鬱といった症状を呈するようになった。これはホジキンリンパ種による影響で、その治療に成功すると、娘の神経の症状もほぼ回復した。
ただし数か月間に及ぶ記憶の齟齬は残ったという。
後の研究からは、ホジキンリンパ種の患者にはしばしば奇妙な人格の変化が起きることが判明している。
「バンビコンプレックス」
これはアメリカ精神医学会では認められていない。
むしろ、自然に対して過度に感傷的な態度をとる人へのレッテルとして用いられる。
ポップな心理学的用語である。ディズニー映画はハンターが不当なまでに悪者扱いされた自然ファンタジーである、と論じた環境史家のラルフ・H・ルッツによって提唱された。
「エディプスコンプレックス」
文学にちなんだ心理的障害名で最も有名で、ジークムント・フロイトが提示した概念である。
息子が母親を手に入れようと、父親に対して対抗心を抱いたときの状態。
フロイトはソポクレスの戯曲『オイディプス王』にその名をちなんだ。
彼は、子供期において正常なステージであるとした。
ユングはこの少女版であるエレクトラコンプレックスを提唱している。
「リアコンプレックス」
エディプスコンプレックスの派生であるが、父親が娘に性的な関心を抱いている点で異なる。
リア王が末娘のコーディリアに示した病的な執着にちなむ。
以上が
物語の登場人物にちなんだ名前のついた
症状と症候群になります。
正式な医学用語でないものもあり、
他の病気からくる症状ではないかとも考えられています。
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まえだ治療院 院長 前田諭志