こんにちは、まえだ治療院です。
今回は
「物語の登場人物の名前がついた症状と症候群~前編」です。
発見者や提唱者のお気に入りの物語に登場する架空のキャラクターにちなんで新しい症状を命名することは珍しいことではありません。
長くなりますので、ご紹介は前編と後編に分けさせていただきます。
それでは見ていきましょう!
「ハックルベリー・フィン症候群」
『ハックルベリー・フィンの冒険』にちなんだもの。
子供の不登校などを示す定義のはっきりしない用語です。
いかだに乗って釣りに行ってしまったり、最近ならゲーム漬けになっている子供を想像しやすいかと思います。心理学者、J・C・セガンによると、しばしば小さい頃の反抗期として始まり、大人になっても仕事が長続きしない、しょっちゅう欠勤するといった症状に至るという。
両親からの拒絶や劣等感などへの反応として発症すると考えられている。
「オセロ症候群」
1955年、ジョン・トッドとケネス・デューハーストは”オセロ症候群”について論文を発表。
「精神病の危険な形」と言及されたオセロ症候群は
配偶者が不貞を働いているという妄想が主な症状である。
浮気を疑い妻のデズデモーナを殺害したシェイクスピアのオセロにちなむ。いくつかの研究からは精神病というよりは神経疾患を患う年配の男性に一般的であることが示唆されている
「ポリアンナ症候群」
半分まで水が入ったグラスを見て、半分も水が入っていると考えるタイプの人間なら、1913年にエレナ・ホグマン・ポーターが書いた『少女パレアナ』に登場するパレアナと言えるかもしれません。
日本では小説を原作としたテレビアニメ
『愛少女ポリアンナ物語』で一般に知られるようになった為、パレアナ症候群ではなくポリアンナ症候群と呼ばれている。
心理学者の中には、あまりにも非現実的な危険なまでの楽観主義をポリアンナ症候群と呼ぶ者がいる。
これは実際のポリアンナの問題解決のための楽観主義とは異なり、その家族や本人に悪影響がある場合もある
現実逃避のための楽観主義である。
「ドリアン・グレイ症候群」
オスカー・ワイルドが生み出した「ドリアン・グレイの肖像」に出てくるドリアン・グレイのように、醜形恐怖に苦しむ人々は肉体的魅力に対する妄想的な執着がある。
加齢を受け入れることができず、整形手術、性的不能治療薬、植毛などに頻繁に頼り、できるだけ若さを保とうとする。
それらの人をさしてドリアン・グレイ症候群と呼ぶ。
「シンデレラ・コンプレックス」
作家のコレット・ダウリングが同名の著書の中で
1981年に提唱した。
無意識的に自立を恐れる女性特有の症状である。
ダウリングによると「成人しても男性に依存し、男性なしでは心許なさや不安を感じる女性……シンデレラ・コンプレックスは、仕事において不適切かつ非効果的な行動へ至らせ、成功を不安に思い、自立を恐れることで、女性らしさも喪失させる」依存への潜在的な願望によって、女性は人生を変えてくれる男性のパートナー(王子様)を待ち続けることになる。
「スーパーマンコンプレックス」
スーパーマンコンプレックスには二つの意味がある。
マンガ嫌いで有名なフレデリック・ワーサムのような
心理学者なら「他人が繰り返し罰され、ヒーローはお咎めなしという加虐的な歓び」のファンタジーを好む有害な状態と答えるだろう。
だがこれは支持されていない。マックス・キャリーの定義の方が一般的だ。彼が言及しているのは、燃え尽きる危険も顧みず、しゃかりきに頑張る人物のことだ。
キャリーによると、スーパーマンコンプレックスの人々は自分がどんな問題でも解決できると考えており、
そのために睡眠も食事も犠牲にすることを厭わない。
またご想像の通り、彼らは人を操ろうとし、
自己愛的で、一緒に働くことが躊躇われる人物だ。
今回はここまでです。
次回は後編をお届けいたします。
●後編
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まえだ治療院 院長 前田諭志