こんにちは、まえだ治療院です。
今回は「回避性パーソナリティ障害」についてです。
回避性パーソナリティ障害は,
自分が他者から批判されたり,
拒絶されたりすること,
または気に入られないことを極端に恐れるために,
さまざまな社会的交流から回避するような行動をとってしまうものになります。
日本ではきわめて多いと言われ、
不登校や出社拒否の半数以上が
回避性パーソナリティ障害といわれており、
今では否定されていますが、過去には
引きこもりの主たる原因とも呼ばれていました。
また併存症がよくみられ、
うつ病,気分変調症,強迫症,または不安症(パニック症,特に社交恐怖症[社交不安症])を有していることが多く、患者が他のパーソナリティ障害
(例,依存性,境界性)を有していることもあります。
回避性パーソナリティ障害の診断基準は
A.自分が批判されたり,拒絶されたりすること,
または他者に気に入られないことを恐れるため,
対人的接触を伴う仕事関連の活動を回避する
B.自分が好かれることが確実ではない限り
人と関わりたがらない
C.冷笑または屈辱を恐れるため,
親密な関係を築くことをためらう
D.社会的状況で批判されたり,
拒絶されたりすることへのとらわれがある
E.不全感を感じているため,
新しい社会的状況で抑制的になる
F.社会的に無能力である,魅力がない,または他者に 劣っているという自己像をもっている
G.恥をかく可能性があるために,
個人的リスクを取ったり,新しい活動に参加したり したがらない
また,症状は成人期早期までに始まっている必要がある。
上記が4つ以上あてはまれば回避性パーソナリティ障害
になります。
治療には少量の薬物療法が用いられることもありますが、薬物療法だけでは不十分であることが多く、
自分が保護されなければ安心できないこと
傷つきやすいことに焦点を絞った精神療法が
必要になります。
25歳以下で
治療が開始できれば予後は悪くないといわれていますが、年齢を重ねてからの治療は困難であることが多い
と言われます。
まえだ治療院 院長 前田諭志