こんにちは、まえだ治療院です。
今回は
極めて猜疑心の強い「妄想性パーソナリティ障害」
についてです。
妄想性パーソナリティ障害(以下:PPD)は
DSMではクラスターAに分類され
奇妙で風変わりな印象を他人に与えるものです。
PPDの診断基準は
A.十分な根拠もないのに、他人が自分を利用する。
危害を加える。だますという疑いをもっている
B.友人または仲間の誠実さや信頼を不当に疑い、
それに心が奪われる
C.情報が自分に不利に用いられているという
根拠のないおそれをもち、
他人に秘密を打ち明けたがらない
D.悪意のない言葉や出来事のなかに、自分をけなす、
または脅かす意味が隠れていると考える
E.恨みをいだき続ける。つまり悔辱された、
傷つけられたことを強く根にもつ
F.自分の評判や性格上のことで、自分が人から不当に
攻撃されると考え、怒る
G.配偶者に対して「愛人がいるのではないか」と
いったような疑惑をもつ
この7つの内4つ以上が当てはまればPPDとなります。
PPDは小さい頃からの性格であり、
家族も問題と思っていないことが多く、
なんらかの社会的なトラブルが生じた時に表面化されることが多いです。
本人も自身がPPDであることに自覚は全くなく、
もし病院受診しても「うつ病」の訴えであることが
多いです。
このような
背景から大きな問題がなければ
PPDは一生涯続くことになりますし、
もし大きな問題があるときは
本当に大きな問題であることです。
某宗教団体の教祖が
PPDであったことも知られていますし、
PPDから妄想性障害(パラノイア)に
移行していくことがあります。
パラノイアは
自身の正当性を主張する一方で、
第三者からは理解出来ないものであることが
多く客観的に見れば「迷惑行為」「他者の権利の侵害」でしかない行動に出ます。
そして最終的には
社会的な犯罪を犯してしまうのであれば、
それは反社会性パーソナリティ障害と
診断されることになります。
実際に犯罪行為があれば、性格の問題になりますので
罪を免れることはありません。
まえだ治療院 院長 前田諭志