こんにちは、まえだ治療院です。
今回は「ドナーカードと脳死判定」についてです。
脳死とは
大脳半球から脳幹までも含む全脳機能の不可逆的な
停止状態のことです。
大脳は
主に運動、感覚、視覚などの機能の中枢であり、
脳幹(中脳、橋、延髄)は
呼吸と循環の生命維持活動を担っています。
脳死には3種類あります。
「大脳死(植物状態)」
脳幹機能はあまり障害を受けていないが、
大脳機能が広範に障害されている状態
自発的な呼吸は可能であるが、
体には動きが見られないもの
「脳幹死」
自発的な呼吸が不可能で昏睡状態であるが、
大脳機能は脳波活動が認められるもの
「全脳死」
大脳、脳幹の機能が失われた状態、
昏睡状態、自発運動消失、脳幹反射消失、自発呼吸停止の状態である。
脳死は一部か完全に脳が機能していないが
心臓は動いている状態です。
これまで人の死は
呼吸停止、心拍停止、瞳孔散大および対光反射消失の「死の3徴候」によって判断されていました。
1997年の臓器移植に関する法律により、
死者が生前にドナーカードなどの書面において、
臓器提供の意思表示をしていた場合にかぎって
「脳死」を「人の死」と認めるようになりました。
これは心臓、肺、肝臓などの移植は
心臓が動いている脳死状態から提供されなければ
移植が成功しないからです。
2009年の
「臓器移植に関する法律」の改正において
「死の3徴候」を原則とし
「脳死」を「人の死に含める」ようになっています。
臓器提供に関しての脳死判定については
家族・本人(前もって)に拒否権があります。
日本では全脳死を脳死としていますが、
脳幹死を含めて脳死としている国もあります。
脳死判定には
移植手術に関係のない脳死判定の経験がある
医師2名以上で行われ、
6時間以上状況に変化がない(同所見)ことが
必要になります。
脳死判定に先立って臨床的脳死判断なども行われます。
まえだ治療院 院長 前田諭志