こんにちは、まえだ治療院です。
今回は認知症介護に必要な知識「視空間認知の歪み」
についてです。
高齢化社会から
どうしても認知症の方が増えているのが
日本の現状です。
介護を仕事として
デイケアやデイサービス、介護施設で
働かれている人も
多くいらっしゃるかと思います。
そんな中で
例えばトイレ誘導などの移動が必要な時
「利用者(患者)さまの足がすくんで進めなくなる」「歩いてくれない」
ってことはないでしょうか?
それが例えば
「扉の前で」や「トイレに入る直前で」
止まってしまう。
さっきまで歩けていたのに、
急に腰が引けて動けなくなってしまう場合
「利用者(患者)さまには
我々と違うものが見えている可能性があります」
認知症の種類にもよりますが、
認知症は脳が萎縮していく疾患です。
見えているものが
正しく認識できなくなることもあります。
それが視空間認知の歪みです。
症状としてよく見られるのが
「段差がある」や「床の色が変わる」時です。
そのような場所で認知症の方が見えている景色は
よく言われるのが「奈落の底」です。
VR映像ではないですが、
自分のいる一歩先が奈落の底のように
落ちたら助からないような高さに見えていれば、
誰だって腰が引けますし、足もすくみます。
他にも階段が「蛇腹の壁」に見えたりなど、
そのように見えているのであれば
やはり立ち止まってしまうはずです。
このような対処には「滑り止めのついた敷物」で
空間の境目をあいまいにしてしまうことと
介護者の
安心してもらえる声かけや対応が必要になります。
利用者さまは「奈落の底」に見えていたりするので、
無理矢理に引っ張るようなことは
絶対にしてはいけません。
逆効果で余計に動けなくなりますし、
不穏や周辺症状の悪化を招きます。
まえだ治療院 院長 前田諭志