こんにちは、まえだ治療院です。
今回は高齢者の「仮性認知症と認知症」についてです。
認知症は
みなさんもご存じの通り、
「もの忘れ」を主体とするものであり、
85歳以上であれば4人に1人は
認知症に罹患しているとも言われています。
ここで仮性認知症を聞いたことがありますでしょうか?
仮性認知症とは
高齢者でおこる「うつ病」の症状が
認知症の症状に似ているため
認知症なのか?うつ病なのか?の鑑別が
必要な状態を指します。
高齢者では
さまざまな「喪失体験」が必ず訪れます。
職場・家庭での現役引退による社会的役割の喪失
経済力の喪失、身体障害があれば自立性の喪失、
家族、友人との死別など
さまざまな喪失体験があり、
これまで精神的な面での不調など無縁だった人でも
これらが重なると
高齢者になってから精神障害に罹患することも
珍しくありません。
高齢者でのうつ病は、若年者でのうつ病で見られる
「気分の落ち込み」「考えが浮かばなくなる」
ことはあまり目立たず、
不安、焦燥、不眠などが目立つことが多く、
時にじっとしていられない、
絶えずそわそわと動き回ったりすることが多いですが、
時に意欲の低下、不活発でぼんやりとしている。
声をかけても言葉が浮かばず、反応が遅くなること
が目立つようであれば
「認知症」と誤診されてしまうことがあります。
これが「仮性認知症」です。
認知症との鑑別は、
うつ病(仮性認知症)である場合では、質問に対して
答えようとする姿勢や態度がみられ、時間をかけて待つと正しい応答が得られることです。
認知症で
あれば症状の進行を遅らせる対処療法になりますが、
仮性認知症は
うつ病ですので抗うつ薬での改善が見られます。
ここで仮性認知症と認知症の比較をご紹介します。
「仮性認知症」
発症時期がある程度わかり、
症状が急速に進行していく
もの忘れの訴えや、
出来なくなっていくことを詳細に訴え、
「なにかの病気」ではないかと強調することがあるが、それに対しての対処に欠ける
夜間に症状の増強はあまり見られない。
記憶すること、思い出すことが困難であるが、
注意集中力は維持されていることが多い
「認知症」
発症時期がわからず、症状の進行はゆっくり
もの忘れの訴えは少なく、
出来ないこともあいまいに訴える
認知症であることの否定があり、
それに対して取り繕い努力しようとする
夜間に症状の増強がしばしば見られる
過去の記憶は比較的保たれているが、
新しいことは覚えられない
注意集中力に欠ける
以上が仮性認知症と認知症の違いです。
まえだ治療院 院長 前田諭志