こんにちは、まえだ治療院です。
今回は「認知症」の種類と症状についてです。
認知症は一度獲得した知能が大脳の障害のため低下し、
その個人の年齢と社会的背景に適した日常生活が行えない状態のことをいいます。
「もの忘れ」だけの病気ではありません。
認知症で有名なものはアルツハイマー型認知症だと思いますが、認知症になる原因は大きく分けて、
大脳の変性や損傷、内科疾患、薬物、うつ気分で
それぞれに症状の特徴が違います。
認知症で代表的な種類を4つご紹介します。
「アルツハイマー型認知症」
アルツハイマー型認知症は発症が65歳以上か未満で、
呼び名が少し変わります。
65歳未満であれば
「アルツハイマー病」
「早発性アルツハイマー病」
65歳以上であれば
「アルツハイマー型老年認知症」
「晩発性アルツハイマー病」
症状の進行は発病年齢が若い早発性で早くすすんでいき
晩発性では緩徐に進行していきます。
また人格の変化ですが、どちらにも人格変化は見られますが、晩発性は発症初期から見られます。
認知症の進行は
初期(1~3年)
もの忘れ、物の名前が出てこない、うつ状態
中期(2~10年)
記憶障害(短期・長期記憶)、失見当識、流暢性失語、
失算、観念失行、観念運動失行、構成失行
後期(8~12年)
高度の知的機能の障害と著しい失行、運動障害、失禁
が見られます。
「脳血管性認知症」
脳卒中などの脳血管障害により起こる認知症です。
新しいことが憶えられないわけではないですが、
長く記憶しておくことは難しくなります。
発症前までの記憶であればよく保たれており、
憶えていること忘れていることがまだらに存在します。
また進行は階段状で、脳卒中の再発のたびなど、
何かきっかけがあることで症状が進行していきます。
「前頭側頭型認知症(ピック病)」
65歳まで頃に発症する認知症です。とりわけ大脳の前頭葉に萎縮を示します。
また認知症ですので、記憶も障害されていきますが、
記憶の前に「人格の変化」が目立つのが特徴です。
認知症によって「昔よりまるくなった」みたいな人もいますが、
前頭側頭型認知症で見られる人格の変化は、
たいていは悪い方に変わってしまいます。
抑制の欠如、自発性の低下、性的逸脱行為や問題行動が
目立ってしまいます。
初期(1~3年)
集中困難、行動異常、情動的行為(場当たり的)、多幸症、記憶と視空間認知の軽度障害
一日中なにもしないぐらいの意欲・自発性の低下
身だしなみに無頓着になる
自分では抑制できない食事や放尿、窃盗など
万引きがやめられない高齢者で前頭側頭型認知症の人がいたこともあります。
運動失語、言語の障害は認知症発現より先に現われます。
中期(3~6年)
人格変化、思考障害、失語症、錐体外路障害、
記憶と視空間認知の軽中度障害
後期(6~12年)
無言、精神荒廃、原始反射、記憶と認知の高度な障害
が見られます。
「レビー小体型認知症」
認知症の症状に加えてパーキンソン病にも似た体の症状を伴う認知症です。
それに加えて幻視と妄想が見られるのも特徴的です。
幻視は人や小動物がはっきりと鮮明に見えると言われており、「家の中に人がいる」や「泥棒が入ってきた」などトラブルになることもあります。
本人にははっきりと見えていますので、
周囲からなにも見えないと伝えても聞き入れてもらえないことが多いです。
まえだ治療院 院長 前田諭志