こんにちは、まえだ治療院です。
前回、高次脳機能障害の「失語症」の症状について書かせていただきました。
今回は失語症の分類についてです。
人は新生児から、
話し言葉の理解、
模倣する発語(意味がわからなくても復唱)から
自発的な言葉、読む、書くの順で発達していきます。
言語聞きとりの中枢は出生時では左半球が右半球より大きく、言語中枢の発達が3~10歳で進んでいきます。
みなさんは言語中枢は人により、左右の半球どちらかに分かれているのはご存じでしょうか?
利き手が右手か左手かで、
左右どちらかに言語中枢ができあがっていきます。
右利きで95%が左半球に
左利き両利きで2/3は左半球に
言語中枢は左半球に多いですが、それ以外の人は
右半球に言語中枢をもつことになります。
言語中枢がある方の半球を「優位半球」
言語中枢がない方の半球を「劣位半球」
と呼びます。
優位半球は12歳頃に定着します。
それまでは右と左で補い合うことも可能です。
それでは失語症の分類を見ていきます。
1「ブローカ(Broca)失語」
流暢に話すや復唱が障害される
言語理解は出来るか軽度の障害
2「ウェルニッケ(Wernicke)失語」
流暢に話すことは出来るが、
言語理解や復唱は難しい
3「全失語」
話すこと言語理解はもちろんのこと
全ての面において重度障害される
4「伝導失語」
流暢で言語理解には問題ないが、復唱が障害される
5「超皮質性感覚失語」
ウェルニッケ失語と同様だが、復唱はできる
しかし復唱した言葉の意味は理解できない
6「超皮質性運動失語」
自発的な発語は乏しく、非流暢であるが
長い文章でも復唱であれば可能である
7「健忘失語」「失名詞失語」
喚語障害のみを示す。会話は迂言が見られる
特殊な言語障害
1「純粋失書」
書くことが出来ないが、他の言語機能は正常である
2「失読失書」
読み書きが出来ないが、他の言語機能は正常である
3「純粋失読」
読めないが、他の言語機能は正常である
特徴的なのは文字を書くことができるが、自分で書いた文字は読めない
4「純粋語聾」
話し言葉は理解できないが、他の言語機能は正常である
5「純粋語唖」
発語は障害されているが、他の言語機能は正常である
に分類されます。
まえだ治療院 院長 前田諭志