こんにちは、まえだ治療院です。
今回は高次脳機能障害の「注意障害」についてです。
注意力とも言われますし、集中力とも似たような言葉になる注意ですが、
注意にも種類があります。
「配分(分配)性」
複数のことに気を配ることができる
これは同時に複数のことをこなせることになります。
「選択性」
多くの情報の中から必要なものだけに注意を向ける
例えば、騒がしい中でも見つけたり、聞き分けたり、
抽出したり出来ます。
カクテルパーティー効果とも
「持続性」
一定の活動の間、注意集中を維持する
ひとつのものごとを長く続けることが出来ます。
「転換性」
必要に応じて注意の向け方を切り替える
物事に対して柔軟に注意を向けることが出来ます。
この能力が失われてしまうと、
日常生活にも影響が出ますし、
逆に過度でもいけない時があります
たとえば「持続性の注意」です。
ものごとに集中できるものですが、
集中しすぎて他のことに全く気がつかない状態に
なってしまうと、それはそれで困ります。
フロー体験、ゾーンに入る、瞑想みたいな使われ方にも似ていますが、
極端な例ですと、
集中している時に、そこで火事でも起きたら
みんな逃げ惑う中、
自分は目の前のことに集中するあまり
火事には気がつかなかった。みたいなことになります。
この4つの注意が障害されるとどうなるか?
思考や知覚、記憶、言語、行為において
多種多様な症状が現われます。
①ぼんやりしている
②集中せず、落ち着きがない
③すぐに中断し、長続きしない
④何かをするとミスばかりする
⑤緩慢で、テキパキと処理できない
⑥2つのことを同時に行えない
⑦周囲の声や雑音、他者の動きに注意がそれやすい
⑧周囲の状況に応じて、修正や転換ができない
の症状がでます。
これは前頭葉、頭頂葉、側頭葉の広い領域どれかが
障害された時に現われます。
ただ障害とも言わず、誰にでも多少は上記に書いたことが当てはまるはずです。
特に疲れている時などは出やすくなります。
それだけ人の注意力はもろいのです。
集中できなかったり、ミスが多くなっている時は、
ゆっくり休息することをおすすめします。
まえだ治療院 院長 前田諭志