こんにちは、まえだ治療院です。
今回は高次脳機能障害の「失行」についてです。
失行は、体に麻痺などの障害や、今からしようとしていることの理解ができないわけではないのに、
自分の意思通りに、行為や行動が行えない状態です。
主に左前頭葉~頭頂葉にかけての損傷で起こります。
失行の分類は
「観念失行」(使用失行、概念失行)
道具の使い方がわからなくなり、正しく扱えない
「観念運動失行」(パントマイム失行、身振り失行)
道具を用いない動作、例えば「バイバイ」をする時の手の振りや、おいでおいでの手招き、じゃんけんなど
の動作や、
のこぎりで気を切る真似、髪をとかす真似、
などの動作が出来なくなります。
「肢節運動失行」
動作がつたなく、ぎこちなくなります。
鉛筆をうまくつかめない、本のページがめくれない
ボタンがかけられない、手袋がうまくはまらない
など、動作に緩慢さも見られます。
「口腔顔面失行」
口や顔に関わるもので、例えば「口を開けてください」
と言われても口を開けることが出来ず、
「舌をだしてください」も舌を出すことが出来なくなります。
その他の動作障害
「着衣失行」
衣服の着脱だけが困難になる失行です。
なんとか着ようとしても、表裏逆さまや上下逆さま、
片腕しか通せないなどが見られます。
「構成失行」
字や絵を描くこと、手本通りの動作などが出来なくなります。
例えば立方体の見本を見ながら書いても書けない
「高次運動障害」(前頭葉性動作障害)
「病的把持反射」
「つかまないでください」と言ってもどうしてもつかんでしまう「把持反射」
手になにかが触れたら、なんでもつかんでしまう
「本能性把持」
手を伸ばしてとれそうな物を、意識すればとらないでいれるが、気が抜けるとつかんでしまう
「ユーティライゼーション・ビヘイビアー」
があります。
「強制的道具使用」
目の前にある道具を、「使ってはいけない」と自分でも理解していながら使ってしまう。
「他人の手徴候」(エイリアンハンドサイン)
右手、左手のどちらか一方が、自分の意思ではコントロール出来なくなり、「手が勝手にー!」
と動いてしまう。
そうなってしまうと急に動き出す手を、反対の手で抑えつけないといけなくなる。
「運動保持困難」
ずっと同じ動きができなくなる
「運動保続」
ずっと同じ動きをしてしまう
以上が高次脳機能障害の失行になります。
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まえだ治療院 院長 前田諭志