こんにちは、まえだ治療院です。
今回は「覚醒剤」についてです。
最近では、
覚醒剤によりなんども逮捕されている芸能人など
TVで見ることもあると思います。
また近年問題になっている薬物「MDMA」
エクスタシーなどいろいろな隠語で呼ばれていますが、
錠剤型で使用がしやすいため、
若者の間で拡がってしまっています。
MDMAは覚醒剤に近似した構造をもつ合成麻薬です。
覚醒剤(覚醒アミン)は
アンフェタミン(ベンゼドリン)
メタンフェタミン(ヒロポン)
で、アドレナリン、エフェドリンと
類似した構造をもつ興奮薬(中枢神経刺激薬)です。
覚醒剤は過去に眠気や倦怠感の除去、気分が爽快になるとして医療用目的で製造されていました。
もともとは医療用目的だったものは他にもあります。
LSDやヘロインなど、治療目的で合成されました。
ヘロインは子供の咳止めや、夜泣き、かんしゃくなどにも使用されていた過去もあります。
自然由来の成分ではコカインなど、
フロイトが治療目的で使用していたり、
フロイト自身もコカイン依存症でした。
もちろん今はどれも麻薬指定されています。
覚醒剤は、
ナルコレプシーの睡眠発作の治療や
うつ病の抑うつ気分に対しての治療に、
また何日も食べなくても平気なぐらいの食欲の低下があるため、やせ薬としても使用されていました。
ヒロポンの名前の由来になっている
「疲労がぽんっとなくなる」ことから
薬局などでも普通に販売されており、
数多くの一般人が買い求めました。
夜勤者やトラック運転手、受験勉強中の学生など、
知らずしらずにうちに、覚醒剤中毒になっていたのです。
戦後の日本では、旧日本軍に配られていたヒロポンが
闇市などで取引され、乱用が広汎に起こり、
多くの依存者を出すことになります。
これは第一次覚醒剤乱用と呼ばれています。
覚醒剤依存症から、統合失調症に類似した重篤な精神症状が見られることが分かってから、
1951年昭和26年に覚せい剤取締法が制定され、
依存者の数は減少していきました。
では覚醒剤を使用したら人はどうなるのか?
見ていきましょう。
①覚醒剤急性中毒
これは覚醒剤使用約1時間以内に出現する
中枢神経系の異常興奮による精神神経症状
精神運動興奮
気分発揚
多幸感
万能感
多弁
不安
焦燥
などが起こり
交感神経刺激作用などによる身体的中毒症状
不眠
食欲減退
頻脈
血圧上昇
振戦
などが起きます。
また薬効の消退に伴って数日間持続する反跳現象
無欲
疲労
脱力
不快感
抑うつ気分
など
時に
意識障害と激しい精神運動興奮を主とする急性症候群が現われます。
覚醒剤使用後に必ずくる反跳現象を取り除くため、
また覚醒剤を使用してします。
覚醒剤依存の負の連鎖となっていきます。
②覚醒剤依存症
覚醒剤はすぐに同用量では効き目がなくなっていく耐性が速やかに上昇していきます。
使用量が必然的に増えていき、同じ効果を得るために、
使用開始時の用量より数百倍も使用しないと、覚醒効果が得られなくなっていきます。
覚醒剤の渇望が強くなるため使用を抑制できなくなります。
持続的に見られる症状として
意欲の減退
情動障害(情緒不安定・易怒的)
挿間的に見られる症状として
覚醒剤使用直後で薬効が現われている時期には
一般薬理作用に加えて
物事に対する熱中(ギャンブル、性行為など)
詮索や強迫的常同行為が見られることがあります。
その他軽い離脱症状として
無欲
抑うつ
不眠
覚醒剤渇望による焦燥と易怒
などが見られます。
覚醒剤中毒者は次第に神経が過敏になっていき、
周囲の些細なことにも過敏に反応するようになります。
体も食欲の減退から痩せこけていき、困憊状態に陥ります。
③覚醒剤精神病
覚醒剤は現在使用している、または過去に使用していたとして生じる幻覚妄想状態を主とした精神病状態です。
覚醒剤の大量で長期間の使用により起こる明らかな精神病状態です。
その症状は、統合失調症に酷似したものが多く、
まれに躁うつ病のような時もあります。
統合失調症様症状は
幻覚妄想状態が中心であり、
幻覚は幻聴が最も多く、幻視、幻触などもある。
妄想は関係妄想・被害妄想・追跡妄想などが主で、
周囲の人に、
監視されている
あざ笑っている
脅迫される
迫害される
殺傷される
といった被害妄想が多い
迫害に対して防衛のため逃走や徘徊、傷害行為に及ぶことも少なくありません。
覚醒剤精神病は覚醒剤使用中止10日後、約半数
一ヶ月後には大半が消失するが、6ヶ月以上続く時もあります。
一部にはそのまま症状が残ることがあり、
これは残遺症候群と呼ばれます。
④覚醒剤精神病のフラッシュバック
覚醒剤使用中止後、寛解状態が続いていても
1回~2回再び使用するや、
覚醒剤を摂取していないが、心理的ストレス、飲酒など
をきっかけに再び覚醒剤精神病が再燃する時があります。
なんのきっかけもない場合もあります。
このような再燃現象をフラッシュバックと呼ばれ
逆耐性現象(反応過敏化現象・履歴現象)によるものだと考えられています。
⑤人格の変化
覚醒剤依存者には、粗暴、威嚇的、猜疑的、攻撃的で
あったり、無気力、無関心、刹那的であったりする
人格の変化が見られます。
ただ元々の性格なのかとの区別は難しいです。
以上が覚醒剤についてです。
一度使用したが最後、一生苦しむことになります。
ダメ!ゼッタイ!です。
まえだ治療院 院長 前田諭志