こんにちは、まえだ治療院です。
今回は「社会的ひきこもり」についてです。
ひきこもりは
いつの時代も大きな社会問題になっています。
ひきこもり状態が半年以上持続している時に
「ひきこもり」と呼ばれます。
ひきこもりに至るまでに「学校の不登校」
小中学生の間に不登校になり、そのままひきこもりに
なると言うのは珍しいことではありません。
子供の不登校は
小学生で約23000人
中学校で約10万人と言われています。
そしてひきこもりは20歳代前後では
数十万人~100万人と推定されています。
もし100万人であれば単純に
日本ではおよそ100人中1人はひきこもりになっていることになります。
単にひきこもりと表現することもありますし、
「社会的ひきこもり」と呼ぶこともあります。
本により、呼び方が分かれています。
社会的ひきこもりを略して「ひきこもり」と呼んでいる人もいれば、
「ひきこもり」と「社会的ひきこもり」には違いがあり
ひきこもりは
自室から、もしくは
自宅から外界に出ていくことはない人、
他者との関わりがない人
社会的ひきこもりは、
コンビニ程度であれば外出が可能であるが、
就労や就学はしておらず、友達はもちろん密な接触が
必要になると予測される場合に、
そのような人とは関わろうとしません。
家族でも例外ではありません。
今からの話は後者の定義でお話します。
社会的ひきこもりの人の中に、
「不安性(回避性)パーソナリティ障害」であることが
あります。
(DSMのクラスターC群、回避性パーソナリティ障害と同じ意味です)
自分に対する不確実感や、劣等感を抱いており、
そのために緊張と心配を持続させている。
社会的場面で批判・拒否されることを極端におそれ、
対人接触を伴う社会的・職業的活動を回避する。
個人的な領域でも、好かれていると確信できなければ
人と付き合おうとしない。
そのため、限られた範囲でしか親密な関係を作れず、
生活の範囲が限定される人です。
とにかく他者からの批判・否認・拒絶により傷つくことを恐れ、社会的ひきこもりを起こしてしまう。
ただ人を求める欲求がない訳ではありません。
人を求める欲求があるか?ないか?
これにはひきこもりといっても大きな違いがあります。
ひきこもり支援の仕方が変わるからです。
ひきこもりは結果であり、原因は人それぞれ
その人その人に合わせた支援でなければ失敗してしまいます。
ひきこもり対応ガイドラインが作成されており、
本人とその家族の考え、支持に徹し、継続相談を可能にすること、
本人との接触介入より、まずは安全な(安心な)関係を作ることで、専門的な個人精神療法・集団精神療法などに導いていけるか、
地域精神保健において、まずは本人や家族が集い、
居場所となり、リハビリテーションの場となる場所の
確立が必要であることを強調しています。
その中でも、
精神障害によるひきこもりか?
非精神障害性ひきこもりか?
も鑑別しないといけません。
精神障害によるひきこもりは、
疾患の症状がひきこもりをひきおこしています。
統合失調症の無為自閉、うつ病による無気力や倦怠感
パニック障害や対人恐怖症などの神経症、
そのような場合は早期発見早期治療がその後の予後を
変えます。
お早めに専門機関に相談することをおすすめします。
非精神障害性ひきこもりの場合
①人格要因②家庭・養育環境③社会的経済的状況が
要因になります。
①本人も働きたいと思っていない
②家族も働かなくていいと思っている。
もしくは
働いて他のなにかをこじらすぐらいなら
家にいてもらったほうがいいと思っている
③働かなくても大丈夫なぐらいの社会的経済的余裕が
ある
となれば、みなさんはどうしますか?
パラサイトと言う言葉が流行ったこともありましたが、
80歳の親が50歳の子供を未だ世話していることも、
何年か前に言われていた言葉です。
通常、人はなにか刺激がないと刺激を求めて自分から
動きだそうとします。
忙しく忙殺されている時は
「一生働かずにすごしたいな」と感じていても、
いざなにもしないで、すごすと言うのは、
それはそれで苦痛になってきます。
大抵その限界値が半年以内
ですので、
ひきこもりと呼ばれるのは半年すぎてからになります。
非精神障害性ひきこもりの場合でも、
なにかそのうらには
精神的なものが隠れているのかもしれません。
まえだ治療院 院長 前田諭志