こんにちは、まえだ治療院です。
今回は自分は病気ではないのか?と
思い込んでしまう「心気障害(心気症)」についてです。
心気障害とは、
正常あるいはささいな身体的徴候や感覚を異常と解釈し
重大な病気ではないかと恐れる状態です。
心臓の鼓動や、たまに出る咳などの、
病的意義を持たないちょっとした身体的異常に
過度の注意を向け、それによってますます
症状に対する感覚が鋭敏になり
「狭心症ではないか?」
「ガンの始まりではないか?」と
思い込んでしまい、
病院で診察や検査を求めるようになります。
一時的な不安からそうなることは
もちろんありますが、そこで病気の疑いが晴れれば
一般的には「安心」するものですが、
心気障害の人は「絶対に病気のはず」と頑固なまでに
思いこんでしまっているので、
医師から「問題ないですよ」と言われても
その結果に納得や検査そのものを信用できなくなり
「必ず病気なんだ、原因を見つけなければ」と、
自分が納得いくまで転々と病院を変えていきます。
これは心気障害の人の特徴的な行動で
ドクターショッピングと呼ばれています。
もともとは高齢者でよく見られる訴えで、
確かに高齢になれば、少しぐらいは体も不具合が、
出てきます。
それによる「重篤な病気ではないか」と
心気的な考えも浮かびやすいとは思いますが、
近年では、若年層にもよく見られています。
その原因は「ネット検索」です。
PCでもスマホでもすぐに手軽に調べることが出来る
今の世の中では、便利ですけど、
同時に病気などの記載は不安をあおる
ことになるものもあります。
「もしかして、俺この病気かも‥。」
ネットで自分に当てはまる症状の項目があったりすると
不安になるとは思います。
検索すると本当になんでも出てきますので、
なぜかやたらと「病名」だけは知っていたりする人も
増えていたりします。
また
心気障害の人は自分から病気に寄せていっている時も
あります。
病気など医学は自分の体のことでも、
一般的に不慣れな人が多い分野です。
一部だけや中途半端な病気の知識ほど、
不安に思わせるだけで、知ってしまったからこその
恐怖心なども植え付けてしまいます。
「知らない方がよかった」なんてこともよくあります。
また心気障害と言うのは、
他の病気の入り口になりかねません。
「自分は病気なんだ」と強く思い込んでいるのなら、
きっと日常生活でも気分は落ち込み、
不安でいっぱいになります。
そのことから
不安障害、うつ病など本当に病気になってしまいます。
また強いストレス下にいるため、
副腎からストレスホルモンが絶えず放出されることに
なります。
それに体が耐えられなくなった時、
自律神経の失調症状や、
ホルモンバランスの乱れから来る諸症状も
出てしまいます。
心気障害は、
はじめは思い込みだけでも、
最後は必ず心身の不調をきたします。
ただ気をつけていただきたいのが、
本当に重篤な疾患が体の症状とは全く別の場所に原因があったり、すでにうつ病を発症しており、
それによる倦怠感や急激なやせ方なども
ありますので、
体の症状を見てくれる病院もそうですが、
ドクターショッピング状態になっているなら、
脳のMRI検査や心療内科などの受診も視野に入れて
おいた方がいいです。
そこまでして何も原因がなければ、
「安心」してください。
気にしすぎると本当に病気になります。
過去ブログ:「整形依存症」醜形恐怖と心気症の関係
まえだ治療院 院長 前田諭志