こんにちは、まえだ治療院です。
今回は「急加速急減速実験」についてです。
「車は急には止まれない」
電車など乗り物全般そうですが、
急加速する乗り物に
急ブレーキをかける実験が過去には行われていました。
1947年
映画「ライトスタッフ」のモデルにもなった
アメリカ空軍の
チャック・イェーガーは、
NASAの前身であるNACAの開発した
乗り物で最高速度マッハ1.06を記録し、
初めて音速を突破した男になりました。
1953年にはマッハ2.44を出し、
記録を塗り替えています。
その翌年の1954年には
ジョン・ポール・スタップが時速1017㎞を出し、
地上最速となりました。
しかし
スタップの実験は最高時速を出すことが目的ではなく、
「戦闘機の安全性を確保する実験」でした。
もし万が一、事故で墜落するとなった時、
パイロットが空中に脱出する際の
人体の影響を見る実験です。
スタップを乗せたロケットスレッドは
発進から5秒後には最高速度まで達し、
その後急ブレーキにより1.4秒で停止しました。
この瞬間、
スタップの体には50G近くの重力がかかり、
衝撃で目が見えなくなってしまいました
(のちに視力は回復しています)
そして一番驚かれたことは、目の周りにパンダのようなあざがくっきり残ったことです。
これは電車などでも経験されることだと思いますが、
ブレーキをかけた際に、
進んでいた方向によろめいてしまうといった
慣性の働きにより、
スタップの目玉が前に飛び出してしまったことに
なります。
この命をかけたスタップの実験から、
今日の私たちの周りにある乗り物の安全性が
格段に向上したと言われています。
まえだ治療院 院長 前田諭志