こんにちは、まえだ治療院です。
今回は思考実験「パーフィットの分離脳」についてです。
思考実験とは主に頭の中で行われる実験になります。
知の探求のために検証しようにも
倫理的観点から実験できないこと、実験の許可が与えられたとしても、単純に現実的にできない時に行われるものです。
パーフィットの分離脳は頭の中でしか行えない実験の
代表的なものかもしれません。
デレク・パーフィットは心身一元論を研究した人物で、
永続的に安定したアイデンティティという概念を疑っていました。
たとえば、完全な脳移植が実現したとします。
そこで、あなたの脳を取り出して、
右脳と左脳の左右2つに切り分けます。
そして右脳と左脳それぞれをクローンの体に移植したとしましょう。
あなたの脳を分けた2人のクローンが目覚めると、
あなたのこれまでの記憶を思い出し、
これまで同様あなたであるかのように考え、
感じるようになった。
どちらのクローンもあなたであることを主張している。
今やあなたは2人いるのだろうか?
やはりあなたはどちらか一人のクローンなのだろうか?
それともあなたを半分にしたことで本来のあなたは
もういないのだろうか?
みなさんならどう考えますか?
私の個人的な意見ですと、
物の形を変わってしまったのであれば、
同じ性質を分け与えたとしても、別物だと思います。
例えば土器など、何千年もして土の中から出土したりしますよね?
原材料:土 の土器が土に帰らないで何千年も残っている。
一度火入れしてしまうと土ではなくなる。
だから元の土には戻れない。
パーフィットの分離脳も、分離してしまったので、
元には戻れない
クローン二人は確かに存在しますが、
どちらも昔のあなたではない。と思いますね。
まえだ治療院 院長 前田諭志